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2009年が、雨が多くて湿潤な年ならばラングドック・ルーション地方の2010年は暑く乾燥した年と言えます。この地方では一般的に秋の初めには雨が降りますが、この年にはそれがありませんでした。この年の降水量は例年を下回っており、この時点で既に乾燥した年との告知がありました。
冬、特に2月には月の平均降水量105mmを超える雨量が観測されていますが、これは土壌の水分を補填するには十分ではなく残りのシーズンでの降雨は殆ど一貫性がありませんでした。この冬は一月に幾度か気温が急落した事を除いては穏やかで、春も冬と同様、乾燥して穏やかな天候の中発芽、開花を迎えます。
夏、特に7月は驚く事に8月よりも暑かく、これにより成熟は緩やかに進み、偉大なワイン造に向いたブドウに成長していきました。実際に2010年のラングドック地方は成功を収めており、非常に良質なワインに分類されます。
ルーション地方でもラングドック地方とは少し異なりますが同様に乾燥して暖かい天候でした。異なる点は降水量がラングドック地方に比べて多く、また秋、冬、春と分散して雨が降ったという事です。5月はこの地方で最も多い1ヶ月に90mmの降水量と数回を除いて季節に忠実な気温を記録しています。
夏は例年通り暑く、7月はとりわけ暑いシーズンになりましたが、ラングドック同様に8月から気温が秋に向かって下がり始めた為、ブドウは緩やかな成熟に向かっていきました。2010年のルーション地方のワインは、特に赤ワインで濃厚かつ奥行きのあるモノが出来上がりましたが、いくつかのものは熟成させるか考える必要があります。